弊社は昭和24年の創業以来、一貫してタクシー事業を経営の柱とし、タクシー専業公共交通企業として都民の皆様の足を担ってまいりました。


昭和39年のチェッカーキャブ創立の際には、当時の社長太田圀男が率先して加入を決意し、以後チェッカーキャブの中核を担う存在として令和の世までチェッカーキャブ加盟として事業を営んでまいりました。二代目の社長、太田輝男に至っては、そのタクシー人生のほとんどをチェッカーキャブと共に歩んできたと言っても過言ではありません。三代目社長である私も、チェッカーキャブ無線協同組合の副理事長・営業委員長等をつとめております。

そんな「チェッカー一色」の弊社が、kmグループへの移籍を決めた背景には、様々な要因がございます。ただ、その要因全てに共通するのが「乗務員ファースト」という視点でございます。


例えば弊社の立地。”東京都荒川区”というと、下町のイメージがつきまといますが、実は都心への直線距離が非常に短い、という地域特性がございます。いきおい、弊社の乗務員も都心指向が強くなる傾向がございます。反面、チェッカーキャブの無線・チケットなどの営業エリアは、江戸川区、葛飾区、大田区といった周辺部は非常に強いのですが、残念ながら都心部ではやや弱い傾向がございます。そうなりますと、都心指向の強い乗務員を多く抱える弊社としては、チェッカーキャブの強みを活用できない、というジレンマに陥ってしまいます。また、チェッカーキャブの無線・チケット営業に協力できないという、ある種の後ろめたさがあったのも事実でございます。因みに弊社がkmグループ入りしますと「都心に一番近いkm提携会社」となります。

 

さらに言えば、昨今の働き方改革の影響で、乗務員の労働時間管理が厳しくなってきた、という側面もございます。営業エリアと会社の往復時間、付け待ちの時間、全て「拘束時間」とカウントされるようになりました。そのような状況に対応するには、実車率、営業単価等を上げ、営業効率の向上を図ることが、乗務員の安定した営業に不可欠な要素になってきているのです。

このように「乗務員ファースト」の目線で熟考した末に出した決断がkmグループ入りだったのです。幸いなことに、昨年末に弊社がkm入りすると乗務員に説明してから今日まで、弊社を去った乗務員はゼロでございます。これも、弊社乗務員とkmグループの相性がいいことの証左ではないかと考えております。現在、kmの講師陣による乗務員研修が行われており、4月の初旬からkm外装の三和交通車両が走り出す見込みとなりました。

 

現時点では新型コロナウイルスで大揺れに揺れている都内タクシー事情でございますが、弊社としては万全の新型コロナウイルス対策を乗務員に施しつつ、粛々とkmグループ入りの準備を進める所存であります。昨年、三和交通は70歳を迎えましたが、80歳、90歳になっても元気いっぱいの三和交通を作り上げていくという、熱い(暑い?)パッションで会社経営に取り組んでいきたいと考えております。近い将来「kmグループ入りして良かったね」と乗務員・管理者と笑い合えるような環境作りに邁進していくことをここでお約束し、kmグループ入りのご挨拶とさせていただきます。


令和2年3月5日
三和交通代表
太田祥平