今年、個人タクシー開業を巡る大きなニュースがありました。
3月30日、国土交通省が個人タクシーの新規許可を期間限定で特例的に認める通達を出したのです。要は、条件付きで個人タクシーの増車を認めることになったんですね。東京特別区武蔵野三鷹地区では、22年度分で139台分の個人タクシー特例新規枠が認められることになったのです。これってかなりエポックメイキングなこと。

従前の個人タクシー開業(都内)では、ほぼほぼ「譲渡譲受」の形式での個人タクシー開業しか選択肢はありませんでした。この場合、まず取っかかりとして、事業免許を譲ってくれる個人タクシー事業者を見つけてくる必要がありました。例えとして語弊があるかもしれませんが、相撲の「親方株」をイメージしてもらうと良いかもしれません。なので、ある程度の人脈等がないと、個人タクシー開業の条件を整えていても開業できないケースが多々あったのです。
それが今回の「個人タクシー特例新規枠」では、譲渡人がいなくても、新規開業できることになったのです(人数の上限ありますが)。

東京の個人タクシーは「東京都個人タクシー協同組合(でんでん)」と「日個連東京都営業協同組合(ちょうちん)」が二大勢力となっており、譲渡譲受で個人タクシー開業となると、これら大手での開業が前提条件となることが多かったのですが、今回新設された「個人タクシー特例新規枠」制度を生かして、国際自動車(km)や日本交通が自社ブランドを活用した個人タクシー制度を拡充することになったのです。
国際自動車始めとする大手グループで仕事をしてきた乗務員さんの中には、個人タクシーとして開業したあとも大手のチケットや専用乗り場、無線アプリ配車を利活用したいという方は多いと思われます。今回のこの特例新規枠は、その希望に応える内容となっているんですね。

タクシー会社の中には、自社乗務員が減ることにつながる自社乗務員の個人タクシー開業に消極的な会社も多いのですが、三和交通としては従前より自社乗務員の個人タクシー開業を積極的に後押ししてきました。譲渡譲受の仲介や、個人タクシー開業のノウハウ講座などのサポートも行っております。
その影響もあり、ここ数年は、1年あたり1~3人の割合で個人タクシーを開業する乗務員さんが続いております。もちろん、今までは「譲渡譲受」による開業だったのですが、今後はkmブランドを生かした「個人タクシー特例新規枠」での開業の選択肢が追加されたことにより、三和交通から個人タクシー開業をする乗務員さんがますます増えていくことでしょう。

法人を長年勤め上げた乗務員さんにとって「個人タクシー開業」はとても魅力的なゴールです。三和交通としては、今までも、これからも、所属乗務員さんの個人タクシー開業をサポートしてまいります。